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by caprice

読書日記  『復興に命をかける』

『復興に命をかける』
村井嘉浩(宮城県知事)著


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東日本大震災で被災した宮城県知事の著書です。
震災当時のことや今後の計画だけでなく、
リーダーとしての覚悟や決意なども書かれており
大変参考になるものでした。
以下、読書日記のようなものですがMoreに続きます。





私が始めて村井知事を知ったのはあの大震災の時だった。
被害のあった自治体の知事たちが出演し、
今後どういう取り組みをしていくかを語るという番組を見た時だ。

失礼ながら、どの知事も曖昧で抽象的で中身のない内容だった。
もっともらしいことは言っていたけれど、だらだらと難しい言葉や
カタカナ語を並べているだけで、何をどうしたいのかが
ちっとも伝わってこない。

その中で村井知事だけは違った。
話の内容がとても簡潔で明確。今後の計画も具体的。
高台移転や財源、水産業について…何をやりたいのか、
どうしていきたいのかがよくこちらに伝わってきた。

「こんな政治家がいるのか!」と良い意味で驚き、
いったいどういう人なんだろう、と興味を持ち調べてみて納得。
防大卒の元陸上自衛隊のヘリパイロット、という経歴の持ち主である。

そんな村井知事の本『復興に命をかける』(PHP研究所)。
主な内容は
①震災時の状況や対応
②今後の復興計画
③政治家・リーダーとしての心構え
巻末には宮城県の被害状況のまとめ。

本書で村井知事が繰り返し訴えていたのは
「復興は単なる『復旧』であってはならない」ということ。
今回津波の被害にあったところは、また襲われる可能性がある。
歴史は繰り返す。だから「元通りする」だけでは復興にならない。
100年後、1000年後の未来を見据えて再構築していかねばならない。

現在復興がなかなか進まないのは費用の問題だけではない。
「今まで通り」を変えるのは相当なエネルギーがいるからだ。
現に村井知事の「水産業復興特区」という構想は、
漁協組合からの反発が強い。
しかしそれでも将来のことを考えたらやらねばならない。
すぐには受け入れてもらえなくても、時間をかけて説明してわかってもらう。

これは知事としても辛いところだろう。
県民のことを考えたらすぐにでも住居と仕事を確保すべきだ、という
意見も当然あるだろうから。

またこの本では「リーダーとはどうあるべきか」についても触れている。
(以下引用)

本当は、すぐにでも現地を回りたかったのですが、私が対策本部を不在にすると意思決定が遅れる恐れがあります。(中略)発災直後から10日間は、現場のことは現場に任せ、混乱が収まるまでは動かず、全体の状況把握と適切な指示を出すことに専念しようと腹を括りました。



組織はリーダーによって雰囲気が変わる。
リーダーが明るく前向きでなければ、どんなに優秀な人材がそろっていても
活気のない組織になる。
リーダーが我を失ってしまえば部下はもっと動揺する。
非常時こそリーダーは平静を保たねばならない。

この部分… 震災当時に総理だった人にぜひ読んでいただきたい。
大地震に津波に原発事故というかつてないほどの難局だったのだから
批判するのは酷だ、という意見も聞くけれど
「リーダーとしてやってはならないこと」をことごとくやってのけたのだ。
非常時に現場を混乱させたり怒鳴ったり泣いたり狼狽したり…。
同情の余地はない。
そういう人を国の代表者に選ばないように気をつけねばならない。
「天災は国を滅ぼさないが、政治が国を滅ぼす」
という言葉もあるのだから。


(以下再び引用)
遠くの目標(ビジョン)が定まっていると、標と方向が決まっているわけですから、状況が変わってもブレないで柔軟に目標に向かって進むことができます。政治は国民の生活に大きな影響を与えるわけですから、特にこの遠方目標(ビジョン)をしっかり定めておく必要があります。


これこそ政治家のもつべき目だと思う。
よく使われる「国民目線で」というフレーズが私は大嫌いだ。
一般国民と国(もしくは自治体の)の代表者である政治家が
同じ目線でものを考えて、本当に国の行先を決められるのか。

私は違うと思う。
国民は考える基準がどうしても明日の生活、
自分たち家族の生活に偏ってしまう。
それは当然のことである。
しかし政治家が明日のことしか考えていないのは困る。
10年、100年先の未来を見据えて考えてくれなくては困る。
「日本をどうするか。どういう国をつくっていくか」という
理念・大局観がないと政治家として国を引っ張っていけない。

今の日本に足りないのは「リーダーシップを取れるリーダー」だと
つくづく思った。

リーダーは時として思い切った決断が必要になる。
でも思い切った決断は、それだけに反発の声も強い。
「それでもやる。」という、強い責任感や覚悟がいる。

録りだめた大河ドラマ「八重の桜」を見ていたら
「何かを変えようとする者は、何もしようとしない者に邪魔される」
という台詞があった。まさにその通りだと思う。

ただしそのリーダーの決断が本当に正しいかどうか。
それを判断するにはきちんとした知識がなければならず、
きちんとした知識がなければ正しくサポートすることも、
正しく批判することもできない。
だからこそ周りの人間もただついていくだけでは駄目なんだ。
ついていく側もたくさん勉強しなければ。

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と、読みながらこのようなことを考えました。

村井知事の政策に関しては賛否それぞれあるかと思いますが、
今後も応援していきたいと、注目している政治家のひとりです。
(宮城県民ではないので直接は関係ないのですが…)


ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
次回はまたフィギュアの記事になると思います。

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by caprice16 | 2013-04-01 22:29 | 読書日記