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読書日記 『竹林はるか遠く』

『竹林はるか遠く』 ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ著 ハート出版

今ネットでは話題の本をこのたび読み終わりました。
少し前には新聞広告にも出ていましたので目にした人も
多いかもしれませんね。

先の大戦で朝鮮半島に住んでいた日本人少女(著者本人)と
その家族が命からがら祖国日本に引揚げた。
その時のことを綴ったもので、アメリカ在住の著者が
1986年に発表し評価され、アメリカの中学校では教材として
使われました。

それが2006年になって突然在米韓国人がこの本を
糾弾し、教材から外す運動を始めました。
「日本の朝鮮侵略を正しく伝えていない」という理由で。


読み終わって第一に思ったのは
なぜ韓国が文句をいってくるのか?ということでした。


どちらかというと、読後には「悪い日本」の印象が残ります。
著者が当時子供(11~12歳)ということもあるのでしょう。
戦争は怖い。日本は朝鮮人に悪いことをした、という
単純で純粋な「怖れ」がところどころで感じられます。
(反日的であるとか、自虐的であるとか
著者にそういう意図はないと思います。)


横柄で底意地の悪い日本人も出てくるし、
親切な日本人も出てきます。

女性を襲う卑劣な朝鮮人も出てくるし、
日本人を助けたという親切な朝鮮人も出てきます。


韓国側はむしろこの本を
「見ろ!やはり日本人は残酷だ!それに比べると
我々は、我々を侵略した日本人を助けるほど慈悲深いのだ!」

と日本を非難する格好のネタに利用できたと思うのです。


なぜそうしなかったのでしょうね?


自分たちは絶対的な被害者であり善であり、加害者はひとりもいなかった。
逆に日本は絶対的な加害者であり悪であり、被害者はひとりもいなかった。

その図式が崩れるのが許せないのだろうことは
想像できますが、理解できません。

どちらかが完全に善で、どちらかが完全に悪だなどということは
この世の中でめったにあることではありません。
とくに「戦争」という生きるか死ぬかの極限の状況で
ひとつの国(もしくは民族)が完全に善であり続けることなどできるのか。

なぜあの国はこうまでして「パーフェクト」「完全無欠」にこだわるのでしょうね。
キムヨナ関連のあちらの報道を見ていても「完全な美」「パーフェクトなスタイル」
とかそんな言葉ばっかりです。
そういえば呉善花女史も「はじめは日本的な『余白』とか『未完成』の
美しさが理解できなかった」と思っていたようです。


話が逸れました。
肝心の本の中身についてですが平易な文章で読みやすく
思っていたよりはあっさりしていて、
そこまで生々しい内容ではありませんでした。

考えて見れば、そうでないと中学校の教材として採用されませんよね。


しかし「あっさりしていた」と思うのはおそらく私が
藤原てい(新田次郎の奥様で数学者・藤原正彦氏のお母様)の
流れる星は生きている』をすでに読んでいたせいかもしれません。


著者が「守られながら逃げてきた子供」であるのと
守りながら逃げてきた大人」の違いもあると思います。

両方を読み比べてみるのもいいと思います。
なお『竹林はるか遠く』は英語版のみ、続編がでているそうです。
(こちら→『My Brother, My Sister, and I』)

私がこの本で一番驚いたのは
日本に無事戻ってきてからの話です。

著者のお母様が帰国してまず考えたのが
子供たちの教育」だったことです。

文字通り体ひとつで逃げてきたのでなにもありません。
衣服はもちろん住むところも無いのに
駅でホームレスしながら学校に通わせるのです。
勉強が遅れてはいけないから」といって。

内田百間(夏目漱石の弟子)の『東京焼尽』でも
終戦直後の焼け野原の東京で黙々と勤めに出る様子が
書いてありました。


戦争を知らない世代の私は、
終戦直後=焼け野原で日本中が茫然自失
というイメージで固まっていましたが、
それは少し違うようです。


考えてみれば戦いの場面を取り上げた
小説、映画、ドラマはよく見かけますが
終戦直後の日本の様子を描いたものは
あまり見ません。
せいぜい東京裁判くらいでしょうか…。

私たちがもっと勉強しなくてはいけないのは
むしろそちらのほうなのではないか、とふと思いました。


いずれにしろこの本は、
韓国にあれこれ文句言われるようなものではありません。
これもまた「戦争」のひとつの真実なのですから。

宮崎駿監督の最新作「風立ちぬ」に零戦がでてくるというだけで
極右認定してしまうような国には、著者が何を伝えたかったのか
読み取れないのかもしれませんけど。



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by caprice16 | 2013-08-12 23:47 | 読書日記

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